赤ちゃんが、できました。妻が言った次の瞬間に、思わず出た言葉。「子どもなんかいらない」と思っていたはずなのに・・。
母子手帳を手に入れて僕は父親になる(第1話)
娘が生まれてから、あまりにも想い出が溢れすぎて、生まれる前のことを忘れてしまいそう・・。
このシリーズは、そうなる前に綴った、妻とまだ見ぬ娘との、十月十日とちょっと過ぎちゃった日々を綴ったものがたり。
(全13話)
「赤ちゃんができました」
忘れもしない、結婚して4カ月が経とうとする2017年7月15日のこと。日曜のお昼に自宅でラーメンを食べている時に妻がそう言いました。その言葉を聴くなり僕は頭が真っ白になり、こんな言葉が出てしまいました。
「○、○○○!○○○○○!」
「はじめに」でも言いましたが、僕はずっと演劇をやっています。役者なんていうのはたいていお金がないのが相場です。自分のことさえままならないのに子どもなんて・・。しかも僕は芝居がしたいのです。
「子どもがいたら自分の時間がなくなる」
そう思っていたので僕は子どもなんていらないと思っていました。自分の人生を、時間を、自由にできなくなるなんて耐えられない。それに妻と一緒にお話したりおでかけしたりするだけで充分楽しいので、そこに子どもが入ってくる余地はない。自分の人生に子どもはいらない、必要ない。はっきり言って邪魔なだけだ。そう思っていました。
しかし妻は違います。子どもがほしい。そのことでよくケンカになりました。
「私には時間がない。女性が子どもを産める年齢には限界があるんだよ!」
そう言われても、僕は自分の人生を子どもに振り回されたくないという想いが強く・・。
「今二人で楽しく暮らしているんだからそれでいいじゃないか!ずっとそれでいいじゃないか!」
それに対して妻は、
「私は、子どもと手をつないで歩く幸せそうなあなたの笑顔が見たいの!」
なんだか自分が恥ずかしくなってしまいました。自分のことしか考えていない僕と、僕と一緒に築き上げる家族としての幸せを見ている妻。
うん、確かに、子どもと手をつないだり肩車したり、一緒に遊んだり・・それはそれで楽しいかも。現に児童劇団の監督をしていた時は、子どもたちと一緒に過ごす時間が当時で一番の幸せな時間だったし・・。その想い出は、今でもかけがえのない宝物。
それでも、どうしても、自分が子どもなんて・・・という想いが拭えない日が続き、
そして・・。
結婚して4カ月が過ぎた忘れもしない7月15日のこと。日曜のお昼に自宅でラーメンを食べている時に妻が言いました。
「赤ちゃんが、できました」
その言葉を聴くなり僕は頭が真っ白になり、こんな言葉が出てしまいました。
「お、やった!よくやった!」
そういいながら妻の頭をポンポンと撫でている自分がいました。自分でも何言ってるのかちょっとよくわかりません。あれだけ子どもなんていらないと頑なだったくせに・・。
本当は、子どもを望んでいたようです。「子どもに自由を奪われる」というどこかで仕入れた情報に刷り込まれ、かつ、芝居の道で食べていけているわけでもない、まだ何者にもなれていない自分が子どもなんて持ってはいけないと決めつけていたのかもしれません。
二言目には、こんな言葉をつぶやきました。
「・・なんとかなるよ。」
なんとかなる・・この何の根拠もない言葉でごまかすのが僕は大嫌いでした。でも「なんとかなる」と思えたら、「子どものいる人生、いいかも」としみじみと噛みしめ、ふつふつと何とも言えない幸せな気持ちが胸にとろとろと溶けだして、とうとう口からあふれ出し、
「ぼふぉふぉふぉふぉふぉふぉ」
という、なんとも奇妙な笑い声が漏れ出ていました。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
この連載記事は全16話を予定しています。
週2、Substackでは無料で配信します。



バッチョさん、はじめまして!
子どもが欲しくない、その気持ちも理解できます!
制限かけられそうで‥。わたしも子ども1人でいいから2人になりました🤣
気持ちも大切なものも変わりますよね!そして、それでいい👏🏻
変化していく気持ちも認めて、それぞれが成長しているんだなって思います✨
結婚しないかも。と思ってましたが、なんかしてみたくなりました。
チャンスがあればしてみます^_^