十数年、役者として助けてくれたキノコ。
わすれゆきキャスト紹介8森武マイ(大伴役)
通称まいたけ。
まいたけって呼んでるんですけど、決してキノコではないです。
昨今、マリオギャラクシーの映画が記録的大ヒットしてるから、キノコが擬人化したキャラクターがこの芝居にも出てくるのかと思われるかもしれませんが、そうじゃありません。
森武マイという女優のニックネームなんです。
だから「まいたけ」と言ったからといって、今からキノコの紹介をするわけではありません。
変わらずキャスト紹介です。
さて。
まいたけはですね。
ヒラヒラとした傘が重なり合う姿や、 強い旨味とシャキシャキとした食感が特徴です。
見つけた人が嬉しさのあまり舞い踊ったことが名前の由来らしいんです。
僕は天ぷらとか炒め物にして食べることが多いです。
たまに味噌汁に入れたりもしますけど、天ぷらが一番おいしいですね、個人的には。
そんなまいたけが演じる役は、大伴です。
僕が物部。
たいちゃんが蘇我。
まいたけが大伴。
これ、飛鳥時代の有力な豪族がこの三者なんです。
とはいえ、物部とか蘇我は、歴史の授業でも結構出てきますよね。
特に蘇我入鹿や蘇我馬子は有名。
それに対立して失脚したのが物部氏。
そのあたりは歴史が苦手な人でも、名前くらいは聞いたことがあると思うんです。
でも、
「大伴って誰やねん。」
ですよね。
実は、この作品には飛鳥時代の日本史にまつわる人物名や地名などをモチーフにした登場人物がたくさん出てきます。
とは言え。
歴史劇ではありません。
歴史のお芝居ではなく、歴史を少しモチーフにした現代劇なんです。
ここまでキャスト紹介を読んで、
「これって歴史劇なのかな?」
と思った人もいるでしょうし、
逆に、
「歴史苦手だから、自分には難しそう。」
と思った人もいると思うんですよ。
だから、このタイミングで作品についても少しお話ししておこうと思いました。
物部。
蘇我。
大伴。
この三氏族の名前が揃った今が、一番自然なタイミングなんですよね。
じゃあ大伴って誰なんだ。
という話なんですけど。
飛鳥時代には、蘇我氏、物部氏、そして大伴氏という3つの大きな氏族が力を持っていました。
その中でも、大伴氏は軍事的で力を持っていた一族なんです。
でも最初に失墜した。
この関係性を見るたびに古代ローマを思い出しませんか?
思い出しますよね!!
そう、三頭政治!!
古代ローマには三頭政治というものがありました。
ユリウス・カエサル。
ポンペイウス。
クラッスス。
この3人で政治を動かしていた時代ですね。
カエサルは一番有名。
それと対立したポンペイウスもわりと分かる。
でも、クラッススて・・・?
実はですよ、なんと!
クラッススも初めは軍事力でこの二者よりも大きな力を持ってたんです!
でも、さっさと死んでしまって、歴史の表舞台から消えてしまったんです。
まさに大伴氏と同じじゃないですか!!
僕はこの構図をみて、
日本史とローマ史の共通点を見いだせて、興奮が止まりません!
・・今、なんの話でしたっけ?
ああそうそう、
もちろん、この作品は歴史を知っていないと楽しめない作品ではありません。
むしろ逆です。
歴史を知らなくても普通に楽しめます。
なので、
「歴史は苦手だから。」
という人も安心してください。
歴史劇というよりは、
ルパン三世。
金田一少年。
名探偵コナン。
そこに古畑任三郎が少し混ざったような。
ミステリーやサスペンスの空気を持ちながら、日本史をモチーフにした現代劇。
そんな作品です。
さて、話をキノコに戻します。
まいたけは、この座組の中で1番付き合いが長く、役者仲間では一番共演回数が多いキノコです。
遡ること15年前。
2011年だったと思います。
当時、すごく仲良くしていた殺陣師の方と一緒に、老人ホームや温泉、銭湯などでお芝居を作る活動をやっていました。
『レッドサムライ』というタイトルだったかな。
その作品で初めて共演したのが、まいたけでした。
その時の第一印象を今でも覚えてるんですよ。
声は通るし。
体は動くし。
オロナミンC飲んでないくせに元気溌剌!
どこからどう見ても健康体。
だから逆に思いました。
「この子は演じられる役がけっこう限られるだろうな。」
なぜかというと、本当に健康そのものなんですよ。
病弱な役とか。
心に闇を持つ役とか。
儚げで今にも消え入りそうな役とか。
そういう役は、どう頑張っても似合わない。
もちろん、そういう役をしなくてもいいんですけどね。
それくらい生命力にあふれる役者、もとい!キノコ!
その後も、僕が2016年からライフワークのように続けていたサムライマッチにも出演してくれました。他にもシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』や『まちがいの喜劇』にも。
その他にも、本当に数え切れないくらい。
共演回数最多だし、僕が演出する舞台でも1番出演回数が多い役者です。
だから僕の演出を1番理解してくれている役者でもあります。
そして何より信頼しています。
例えば、僕が客演として他の劇団から出演依頼をいただいて、
「女性が1人足りないんですけど、誰かいい女優さんいませんか?」
と言われたら、まず最初に思い浮かぶのがまいたけなんですよ。
「じゃまいたけ呼びますか?」
そんな感じで紹介することが本当に多いですね。
だから僕が呼ばれた舞台で女優が足りない時なんかは、まずまいたけに声を掛ける。
そういうことがかなり多い。
今では僕と嫁さんとで福岡メンバーとして活動している劇団バナナでも常に一緒です。
保育園や幼稚園への依頼公演などで、もう3年近く一緒にやっています。
だから感覚的には同じ劇団バナナ福岡メンバーなんですよ。
劇団バナナのLINEグループにも普通にいますし。
だから今回のチラシを見た時、
「あれ?なんで所属のクレジットに劇団バナナって書いてないんだろう。」
って逆に思っちゃったくらいでした(笑)
それくらい当たり前のように一緒にいる役者なんです。
まいたけには、僕が演出する舞台で何度も助けられています。
演劇って、1人役者が欠けるだけで、公演そのものが中止の危機に直面することもあります。
怪我。
体調不良。
意味不明の失踪。
どうしても避けられないことがあります。
特に2020年以降は、より一層そういうことに気を遣うようになりました。
そんな中、僕が演出する舞台でも、稽古の途中で役者が怪我をしてしまったハプニングがありました。
本番まであと1週間。
全治二週間。
出演無理。
じゃあどうしよう。
そんな時に脚本を書き換えて、
「よし、まいたけ全部お願い。」
そう言ってお願いしたことが何度もありました。
それまでずっとやっていた役に加えて、新しく役を受け持ってもらったこともありました。
わりと何度かありました。
そんな感じで何度も舞台を乗り切ってきたんです。
これ、本当にまいたけじゃなかったら乗り切れなかっただろうなと思うことが何度もありました。
シェイクスピア劇をやっていた時もそうです。
大人数の芝居なので、本番中にちょっとした行き違いが起きることがあります。
そんな時、
「まいたけ、ちょっとここ頼む。」
そう一言伝えるだけで、何とか対処してくれるんです。
これは、長年一緒に舞台を作ってきて、僕の演出や作品づくりを理解してくれているからこそなんですよね。
ハプニングが起きた時には、応急処置として演出を少し変えることがあります。
その意図をちゃんと汲み取って、
「なるほど、そういうことですね。」
というのを理解した上で、この世界観を壊さないようにつないでくれる。
これって、他の役者ではなかなかできないことだと思うんですよ。
今回は僕は演出ではなく、まいたけと同じ共演者です。
そこでようやく、10数年助けてもらった恩返しができそうなんです。
まいたけって、暗いところが苦手らしく、
暗転になると目が慣れなくて、安全にはけるのがちょっと苦手らしいんですよね。
今回も僕とまいたけが一緒に出て、そのまま暗転中に退場する場面が多々あります。
だから僕がまいたけを暗闇の中を誘導して、安全にはけさせなければなりません。
まいたけには、何度も舞台で助けてもらいました。
今回は僕が支える番です。
暗転中は、僕がまいたけを守ります。
そして千秋楽には、
僕が手を引かなくても、自分1人で安全に退場できるようになるまで、責任を持ってサポートしていきます。
そこまでが、今回の僕の役目です。
どうぞご安心ください。
千秋楽は、自分一人で退場していただきます!!
自立支援!




