なかなか始まらん体操教室。
娘を体操教室の体験に連れて行ったんですけど、1時間の中で、すでに習っている子たちの中に娘も混ぜてもらったんですね。
ところが、なかなか始まらないんです。
子どもたちは座って、先生やコーチとしゃべっている。
10分経ってもなかなか始まらない。
先生と子どもたちが、ただただ雑談しているような感じなんですよね。
やっと始まったと思ったら、まず準備運動。
準備運動が終わったら、また座ってじゃんけんを始めました。
先生と子どもたちでじゃんけんをして、
「先生が勝った数×10秒、ブリッジをする。」
みたいな。
なんかね、
「体操教室なのに、あんまり運動しないな。」
と思ってたんです。
結構座っている時間も長いし、子どもたちとしゃべっている時間も長い。
せっかく1時間しかないんだから、もっとガンガン動いた方が上達するんじゃないかなと。
ところが、30分くらい経ったところから跳び箱が始まりました。
そこから、最初の30分は何だったんだというくらい、ガンガン動くんですね。
開脚跳びをしたり、跳び箱の上で前転したり、側転したり。
それぞれのレベルに合わせてやっていくんですけど、安全のために先生がきちんと補助に入ります。
足や腕、お腹など、一人ひとりの体に触れながらサポートしていく。
1回やったら、今度は補助器具を使って、少しやりやすい状態でもう1回。
それを1周、2周とやって、
「じゃあ、それを踏まえて3周目でもう1回やってみよう。」
という感じで進んでいきます。
ただ、一人ひとりをその場で止めて、みっちり教えるわけではないんですね。
子どもが跳び終わった瞬間に、
「もっと手を前に出そうね。」
「もっと勇気を持って跳んでみよう。」
「足を広げようね。」
と、すかさず一言だけ声をかける。
いちいち止めないんです。
子どもたちも、自分の番が終わったら、次の列に並ぶために走って戻っていく。
だから、先生のアドバイスを立ち止まってじっくり聞いているわけでもありません。
それでも、次の自分の番になると、先生から言われたことをちゃんとやってみるんですね。
そこで、最初の30分の見え方が変わってきました。
僕は最初、
「なかなか始まらないな。」
「せっかく体操教室に来てるんだから、もっとガンガン動かせばいいのに。」
と思っていました。
でも、最初の30分にやっていた準備運動やちょっとした遊び、子どもたちとの雑談。
あの時間があるからこそ、残りの30分でみっちり跳び箱ができるんでしょうね。
先生が、
「始めます。」
と言えば、みんなビシッとなる。
「集合。」
と言えば、ちゃんと集まる。
次にやることを伝えれば、ちゃんと動く。
しっかりメリハリができています。
普段から自分たちの話を聞いてくれる。
自分たちの相手をしてくれる。
そんなコーチだからこそ、
「この人の言うことはちゃんと聞こう。」
という信頼関係ができているんでしょうね。
しかも、跳び箱のような体操では、安全のためにも、本人の上達のためにも、補助として子どもの体に触れなければいけません。
信頼している人だからこそ、体を支えられても安心できる。
嫌な気持ちにもならない。
その信頼関係を、最初にちゃんと作っている。
最初は、
「全然運動しないな。」
と思って見ていた時間にも、ちゃんと意味があったんですね。
娘も初めて行った場所だったにもかかわらず、すでにお友達ができて仲良くなっていました。
コーチの先生にも、すっかり懐いていました。
僕自身も子どもたちに何かを教える機会があります。
みっちり知識や技術を教えることだけが大事なんじゃない。
まず信頼関係を作る。
そっちの方が、結果的には子どもたちの上達への早道になる。
自分も楽しいし、子どもたちも楽しく参加できる。
そんなことに気づかせてもらった体操教室。

