ズレにズレまくりブレずにズレる
わすれゆきキャスト紹介11井口誠司:葛城巡査役
せいちゃんを一言で表すなら。
「空気を読まない変な人」。
いい意味で!
便利な言葉「いい意味で!」
せいちゃんは
空気が読めない人ではない。
空気を読まないという選択をしている人。
読めないんじゃない。
ちゃんと読んでる。
でも、その空気を鵜呑みにしない。
例えば新聞ですね。
新聞もいろんな社があります。
テレビもそうです。
ネットもそうです。
「新聞に書いてあったから」
「テレビで言ってたから」
「ネットで見たから」
それをそのまま自分の考えにしてしまう人って結構いると思うんです。
でも、せいちゃんは違う。
新聞は読む。
だけど鵜呑みにはしない。
「じゃあ自分で新聞を作ろう」
そういう人なんです。
そして、その井口誠司新聞がまた、かなりズレてるんですよ。
そこが面白い。
だから変な人なんです。
もちろん話が通じないとか、常識がないとか、そういう意味ではありません。
真っすぐなんです。
ただ、その真っすぐの出発点がズレている。
だから真っすぐ進めば進むほど、どんどん軌道から外れていく。
でもフラフラしているわけじゃない。
ブレずに一直線にズレている。
だから嫌味もない。
せいちゃんって、自分自身がメディアなんですよ。
だから自分の世界を知るために、空気を読まずにズケズケ聞いてくる。
興味を持ったことは遠慮しない。
「それ見せてください」
「それやってみてください」
とにかくドストレート。
そのおかげで、実は僕自身も、この舞台で新しい可能性を見つけてもらいました。
今回の稽古中の話です。
以前Facebookで、娘が転ぶ練習をしていたので、僕が高校時代に練習していたコケ芸を見せたら、嫁さんも娘も大喜びしたという投稿をしました。
その投稿をせいちゃんが見たらしく、次の稽古の日に、
何の前触れもなく脈絡もなく、ただただ唐突に、
「バッチョさん、コケ芸見たいです!」
普通なら遠慮しますよね。
「今そんな話じゃないしな。」
「稽古前だしな。」
「今度機会があれば。」
そう思うじゃないですか。
でも、せいちゃんは違う。
興味がある。
だから見たい。
それだけのド直球
なので、その場でみんなの前で披露しました。
すると受けが良かった。
「お、これはいける」
そう思えたからこそ、今回のお芝居の中へ組み込む決断ができたんです。
もし、せいちゃんがあの一言を言ってくれなかったら。
僕はあのコケ芸を芝居には入れてなかったと思います。
事前に共演者へ見せられた。
反応が分かった。
つまりテストができた。
安心して本番用の演技プランへ入れられた。
もちろん、せいちゃんは僕のために言ったわけじゃありません。
自分が見たいという好奇心。
それだけ、以上!
でも、その好奇心のおかげで、高校時代からずっと眠っていた技術が、まさかこのタイミングで日の目を見ることになったんですよね。
また、せいちゃんは立派なカメラを持ってきて、稽古中の写真もたくさん撮ってくれています。
舞台写真だけじゃなく。
オフショットだったり。
共演者同士の自然な笑顔だったり。
そういう瞬間を本当にたくさん残してくれるんです。
でも、その写真を見返していたら。
僕だけ他の共演者とのツーショットがほとんど無い。
僕の稽古参加日数が少ないというのもあるんですけど。
ちょっと自虐気味に。
「なんで自分だけツーショット無いんだろう。自分はこの座組に避けられているのかもしれない」
とXで投稿したんです。
すると次の稽古。
すぐにカメラを持ってきて。
「バッチョさん、撮りましょうか。」
と声を掛けてくれる。
そういうところ。
よかれと思ったことを速攻やったれ精神。
空気より、自分がやりたいことを優先する。
でも、それがちゃんと人を喜ばせる方向へ向いている。
だから嫌味がない。
僕自身もかなりズレてる人間だと思います。
でも、多くの人はズレていても隠します。
みんなと同じ方向を向いているように見せます。
でも、せいちゃんは違う。
ズレたまま一直線。
だから逆に安心するんです。
「お、今日も安定してズレてますな」
それがせいちゃんなんですよね。
初めて会ったのは2015年。
舞台「博多ヒストリア」で共演したのが最初でした。
その頃からずっと。
「変な人だなぁ。」
と思っていました。
それから「怪人二十面相」。
ギリシャ劇。
今回の「わすれゆき」。
共演するたびに思うんです。
この人、全然ブレない。
ブレることなくズレている。
だから安心する。
付き合いももう10年になります。
そして今回。
葛城巡査役。
今まで見てきた、せいちゃんの役の中で。
僕はこれが一番好きです。
演じているというより。
操っている。
そんな感じなんですよね。
まるで糸で動く操り人形。
演出家から言われたこと。
自分で考えたこと。
それらを全部、自分の中で一度人形に変換して。
その人形を面白おかしく動かしている。
そんな印象があります。
さて。
葛城巡査という役名ですが。
これまで紹介してきた物部、蘇我、大伴と同じように、歴史上の一族の名前が由来になっています。
葛城氏。
古墳時代に大きな力を持っていた豪族ですね。
その後、衰退し、
その基盤を受け継いだとも言われているのが蘇我氏です。
そう考えると、
今回のお芝居で描かれる蘇我と葛城巡査の関係性も。
「なるほど。」
となるんですよね。
ちなみにこの作品は歴史劇ではありません。
でも脚本を書いた大介アニキが、
こういう歴史上の人物や一族の関係性をモチーフにしているからこそ。
「ああ、だからこの人物相関なんだ。」
という楽しみ方もできる作品なんです。
歴史を知っていればニヤリとできる。
知らなくても、もちろん十分楽しめる。
そんな仕掛けが、この作品にはたくさん散りばめられています。
そして今回の作品の中でも、その葛城巡査という役がまた、せいちゃんにぴったりなんですよね。
今回のキャスト紹介を書きながら改めて思いました。
10年前に出会った頃からズレの角度は何一つ変わっていない。
せいちゃんの演じる葛城巡査、おんもしろい!!
正直そんなに役得ないんじゃと思ってたけど、
せいちゃんがこの役の面白さを教えてくれた。
そしてせいちゃん、いつも写真撮ってくれてありがとう!!
あますとこなくXとインスタで大量投稿しまくらせていただきますわよ!


