kindleはわくわくしかしない
BACCHO TO THE FUTURE 7
目次
今週は「原点回帰」の週だった
Kindle出版の素晴らしさ——自分の人生を誰かに届けること
10歳のキョウちゃんが、本を出版しようとしている
わくわくさん、kindle出版にわくわく
うっかり有料noteの情報を漏らした(笑)
67冊目の新刊、演劇部門1位をいただきました
もうひとりの原点回帰。紫とわさんの「ギンガムチェックのオンナたち」
*このニュースレターはおおよそ9000文字の超長文記事です。あらかじめご了承ください。
今週は「原点回帰」の週だった
今週を一言で表すなら、「原点回帰」がぴったりかなと思います。
Kindle出版に憧れている人って、実はかなりいるんだなということに気づけた一週間でした。
そもそも僕がSubstackを始めたきっかけというのが、Kindleについての情報を発信していこうと思ったからなんですよね。SubstackとKindleは相性がすごく良くて、Substackにはメルマガ機能がついているわけですから、Kindleの本でサブスタックの登録をしてくれた人と濃くつながれる。仲良くなった人がまたKindleを読んでくれるという好循環が生まれる。だから「よしやろう」と思ってSubstackを始めたんです。
ただ、Substackで記事を書き始めたら「何をこんな当たり前のことを書いてるんだろう」という気持ちになってきてしまって、途中でやめてしまっていたんですよね。でも今週、その原点に戻れた気がしました。
Kindle出版の素晴らしさ——自分の人生を誰かに届けること
僕自体は2022年から数えて、現在67冊出版しています。
とにもかくにも、Kindle出版はめちゃくちゃ楽しい。面白くて仕方がないから、量産したというよりも、書きたくて書きたくて仕方がなくて出しているんですよね。自分の経験とか自分が思ったこととかを本にすることで毎月誰かが読んでくれている。それはやっぱり、出版しなかったら届けることができなかった。
4年前に出版したものが今でも毎月売れ続けている本もあります。何も宣伝しなくても。自分が乗り越えた経験が、今まさにそれを必要としている他の誰かの人生に届いているということなんですよね。それを思うと、すごくワクワクします。
Kindleというプラットフォームで誰でも出版できる時代になったというのは、本当にありがたいことで。自分の人生というのは自分しか経験したことがないわけで、そのストーリーを必要としている誰かに届けることができる。自分だけが乗り越えてきたストーリーを出版することで、読んだ誰かが勇気づけられたり、救いになったりすることがある。だからこそKindleで自分の人生を出版するというのは、すごく価値のあることだと思っています。
10歳のキョウちゃんが、本を出版しようとしている
先週もお伝えしましたが、今10歳の男の子(キョウちゃん)の出版チャレンジのサポートをしています。
キョウちゃんは不登校で、学校に行けていないんですよね。親子でずいぶんと苦しんだ時期が長く続いたそうなんですが、今回自分で物語を書いて、自分で挿し絵を描いて、Kindle出版するというチャレンジを始めることになりました。そのお手伝いをさせていただくことになったんです。
ただ単に自分の作品を本にしたい、というだけじゃないんですよ。
自分と同じように学校に行けなくて悩んでいる子たちに、「大丈夫だよ」「僕もこんなチャレンジができているよ」と伝えたい。そういう子たちへの励ましになりたい、背中を押してあげたい——そういう思いがあってのチャレンジだと聞いて、すごく感動してしまいました。
10月の出版に向けて、チャレンジが始まったばかりです。ニュースレターでも少しずつ進捗を報告させてください。
キョウちゃんについては先週のニュースレターでも書きました。
わくわくさん、kindle出版にわくわく
Substackで知り合ったわくわくさんという方が、ちょうど先週からKindle出版の可能性に気づいて、自分で勉強しながらチャレンジを始めたんですよね。
その投稿を見て、実は僕がちょうど先週の金曜日にリリースしたばかりの有料note記事がありました。Kindle出版をするにあたって初心者だけじゃなく、何冊も出版している人でも無意識に踏んでしまう地雷——これをやってしまうとアカウント停止になってしまう可能性がありますよ、というようなことをまとめた8000文字ほどの記事。
ただ正直なところ、これを書きながらずっと不安だったんです。4年間Kindle出版をやってきた自分にとってはもう当たり前のことだから、こんなこと書いてもみんな知ってるだろう、と。
8000文字もある記事をわざわざお金を払って時間をかけて読んでもらって、「こんなのどこにでも書いてある情報じゃないか、損した」と思われたらどうしようって。そういう不安がずっとあったんです。
でもわくわくさんの投稿をきっかけに、僕も「有料noteを出してみました」という投稿をしたら、何人か買ってくれて。しかも返ってきた声が、自分が思っていた以上のものだったんですよ。
「これは知らなかったです」
「危うく自分もそれをやってしまうところでした」
「なるほど、Amazonがこういうことを大切にしているからこういうリスクがあるんですね、納得しました」
「めちゃくちゃ勉強になりました」
——そういう声をいただいて。
確かにそうなんですよね。僕だってこの情報を最初から知っていたわけじゃなくて、4年間やっていく中で気づいていったことばかりのはず。
実際にAmazonから「これ以上続くとアカウント停止になりますよ」という警告が2回来た経験もあって、そういう経験を通して自分の中では当たり前になっていたこと。
でも、今からやろうとする人にとっては、貴重な情報だったりするわけなんですよね。
Kindle出版するだけじゃなく、Kindle出版するために気をつけるべきことを知っておくというのも、価値になるコンテンツなんだなということに改めて気づかせてもらいました。
うっかり有料noteの情報を漏らした(笑)
ただ、有益な情報というのは有料noteでまとめてはいますが、僕がお金をいただくことに価値を感じているのは、出版したい人への伴奏やサポート体制の方なので、情報自体は質問されたら普通に答えるというスタイルではあります。
だからわくわくさんがKindle出版について何か投稿しているときに、僕がうっかりコメントで有料noteに書いてある情報を漏らしてしまったという(笑)。
シリーズ出版するとめちゃくちゃいいですよとか、
出版には制限がかかってしまうリスクがありますよとか、
ランキングの話とか——
そういうことをわくわくさんとのやりとりの中でこぼしちゃっているので、そのやりとりを見ていただいても結構です。体系的にピンポイントで知りたいという方は有料noteを見ていただくのもありかなとは思いますが。
SubstackでKindle出版に興味がある方って、わくわくさん以外にもたくさんいらっしゃるみたいで。
やっぱりこういうこともSubstackで発信していった方がいいんだな、やったほうがいいんだ!と気づくことができました。
楽しみながら僕の情報をダダ漏れしていきますので、ぜひ活用してください(笑)。
67冊目の新刊、演劇部門1位をいただきました
ありがたいことに、先週リリースした新刊『演技力を高める日常の使い方』がAmazon Kindleランキングの演劇部門で1位を獲得しました。ありがとうございます。
ランキング1位を獲得するというのも、最近はなかなか難しくなってきてはいるんですよね。
ただ、ちゃんとした手順を踏めば、取れる確率を高めることはできる。そしてその手順の中に、自分の本をAmazonのランキングにちゃんと反映させるというステップがあるんですが、これを知らないと、せっかくたくさん買ってもらってもランキングが上がらないということが起きてしまいます。
この情報も、実は今週のわくわくさんとのやりとりの中でうっかり漏らしてしまっているので(笑)
そちらのやりとりも参考にしてみてください。
もうひとりの原点回帰、紫とわさんの「ギンガムチェックのオンナたち」
もう一人、今週のテーマの原点回帰についてお話したい方がいます。
Kindle作家の紫とわさんです。
実はとわさんは、今の僕の発信スタイルの原点をくれた人でもあるんですよね。本人は知らないでしょうけれど。
今僕はSubstackで長文の引用リスタックをしていて、誰かの記事に対して1000文字から2000文字の感想記事を月に50本近くアップするペースでやっています。
その習慣のきっかけをくれたのが、とわさんが去年出版した1冊目の本『うさぎが跳ねる時』だったんです。
以前は別のnoteアカウントでKindleの感想記事を書いていて——そのアカウントはもう消してしまいましたが——2000文字くらいの感想記事を50冊分書きました。その記念すべき第一冊目が、とわさんの『うさぎが跳ねる時』だったんですよね。
自叙伝・自伝を出版するということ
その話をする前に、少し寄り道をさせてください。
Kindleで自伝や自叙伝を出版している方はたくさんいます。
自分の人生というのは自分しか経験したことがないわけで、そのストーリーを必要としている誰かに届けることができる。自分だけが乗り越えてきたストーリーを出版することで、読んだ誰かが勇気づけられたり、救いになったりすることがある。
だからこそKindleで自分の人生を出版するというのは、すごく価値のあることだと思います。
ただ、正直なところ、読んでいて「痛いな」と思ってしまう本もあります。
自分のことばっかり書いてるな、とか、なんかナルシストっぽいな、とか。申し訳ないけれど、そう感じてしまう本というのは確かにある。
自分の人生を書くわけだから、いっぱい書きたくなるのは当然なんですよね。こういうことがあった、こういうことがあったって、こと細かに書いていく。でもそれって読者にとっては
「そこまで説明しなくていいよ」
「その情報いらないよ」
というところだったりする。
Kindleの自叙伝で大事なのは、共感と感情なんですよね。読者が著者のストーリーを自分ごととして感情を揺らしながら読んでいくのに、喋りすぎたり説明しすぎたりして脱線してしまうと、「これ自分とは関係ないな」とちょっと冷めてしまう。
自分の人生だからこそ語りすぎてしまうか、もしくは自分の人生だからこそ当たり前すぎて説明しなさすぎるか。そのバランスが難しいんですよね。
そこのところを、とわさんの1冊目は絶妙にクリアしていたんです。
舞台演劇的な本だった
僕は演劇の脚本を書いているので、どうしてもそういう目線で本を読んでしまうところがあって。
とわさんの1冊目『うさぎが跳ねる時』を読んだ時、何か舞台を見ているような感じがしたんですよ。とわさん自身の幼い頃から今に至るまでの人生をまとめた本なんですが、舞台演劇には「表すところと表さないところ」があるんですね。限られた時間と空間の中で、どこまでを表現して、どこまでを観客の想像に委ねるかというところがある。
とわさんの本はまさにそれで、シーンごとに印象的なことを書いて、気持ちや心情を伝えていく。長々と説明しないけれど、感情や状況がすごく伝わってくる。時系列が飛んだり、数年経ったりしても、感情と気持ちがちゃんとつながっているんですよね。だから自分が経験したことのないとわさんの人生を、なぜか自分ごとのように感情移入しながら読めてしまう。
説明されていないところでも想像できる。そういう余白があるから、読者が自分でその隙間を埋めながら読んでいける。これがね、すごいなと思って。
感動したことをちゃんと言葉にして残しておきたいと思ったのが、Kindleの感想記事を書き始めたきっかけだったんです。
そうすると、著者さんたちからものすごく喜んでもらえて。
僕もそうですが、自分が書いた本や記事にしっかりと想いを込めた感想を書いてもらうとものすごくうれしい。自分もそんな存在でありたい。
それが今のSubstackでの長文引用リスタックにつながって、このニュースレターにもつながっている。
とわさんの本は、僕の発信の原点になった一冊なんですよね。
ただ唯一、ある章だけ淡々としているなと感じた章がありました。誤解を覚悟で言うと、その章だけがつまらない。
とわさんが離婚して、最愛の息子を旦那のところに置いて一人で生きていくことになった、その絶望の中で飛び込んだスーパーのレジ打ちの仕事のくだりです。
そこからとわさんの人生が絶望から希望に変わっていく転換点なんですが、なぜかそこだけは読んでいて自分の感情があまり動かなかった。淡々としているな、という印象だったんですよね。
つまらないと言ってしまいましたが、決してしょうもないとかこんな章いらないという意味じゃないんです。ただそこだけは感情が動かなくて、人生がよくなってきたんだなという印象に留まっていた。
全体的にはすごくいい本なんですが、そこだけが気になっていたんですよね。
でもこの2冊目を読んでわかりました。この章は淡々とすることに意味があった。
1冊目で淡々としていた章が、2冊目の本になっていた
今年のとわさんの新刊、二冊目となるkindle書籍『ギンガムチェックのオンナたち』は、まさにその「淡々としていた章」をこと細かに描いた本なんです。
とわさんがレジ打ちの仕事につくようになってから出会った人間模様——こんな客がいる、こんなパートのおばちゃんがいる、こんな社員がいる、レジにはこんな出来事がある——という、一種のエッセイ的な要素と、とわさん自身の小さなストーリーが絡み合う構成になっています。
構成の作り方がまた面白くて。名探偵コナンの構造に近い。
コナンって、1つの事件が起きて解決して、また別の事件が起きてというワンシーン完結が続きますよね。でもその一つひとつがコナンが黒の組織にたどり着いていくための大きなストーリーの一部になっている。
この本もまさにそんな感じ。1話完結のエッセイ的なシーンをつなぎ合わせながら、全体を通してとわさんのストーリーになっていく構成なんです。
しかもうまいのが、その一話一話の合間に
「最愛の息子を捨ててまで1人で離婚してきた私」
「息子のためにここで頑張ることで最高の母親になれるだろう」
という言葉がちょこちょこと出てくる。なぜ離婚したのか、なぜ息子を置いてきたのかは一切語らない。でも読者はそこから、この人にはそれなりの事情があったんだなということを自然と想像できる。
語りすぎないことで、読者の想像が広がる。やっぱり舞台演劇的だな、と思いましたね。
しかもそこをあえて語らないのには理由がある。
この本のテーマはあくまでもレジ打ち業務の中の人間模様を楽しんでもらうこと。そこでとわさんがなぜ息子を置いてきたのかという自分の人生を語りすぎてしまうと、本の趣旨から脱線してしまう。だから語らない、という選択をしているんですよね。でもそれがまた余白を生んで、読者が想像する。やっぱり演劇的だなと思うんですよ。
レジ打ちという仕事の人間模様
とわさん自身も書いているんですが、まさか自分がレジ打ちの仕事をするとは思ってもみなかった、と。どこにも仕事が決まらない人がたどり着く、誰にでもできる最後の手段——そういうイメージがあったと正直に書いているんですよね。
これ、おそらくほとんどの人が心のどこかでそう思っていると思うんです。少なからず僕自身もそういう気持ちがないとは言えない。著者さん自身が正直に書いてくれているので、僕も正直に言いますが、やっぱりそういう気持ちはどこかしらある。
でも、そこにたどり着いた人たちにはそれぞれの背景があり、人生がある。スーパーというのは、お客さんがいかに安く新鮮なものを手に入れるかという欲望の渦巻く消費社会でもあって、そういったところの人間模様をレジ打ちという仕事をすることで真剣に見てきたからこそ、ここまで書けるんだなということが伝わってくるんですよね。
この本を読むことで、そこで働いている人も自分と同じようにいろんな人生をたどって今ここにいるんだということを再認識させてもらえる。当たり前のことなんですが、ちょっと忘れていたな、と。
セルフレジになって気づいたこと
この本を読んでから、レジ打ちの人への見方が変わりました。
最近セルフレジが増えてきて、自分でバーコードをスキャンするわけですが、商品によってバーコードの位置が全部違うじゃないですか。だからいちいち探して、すごく手間取るんですよ。でも思い返せば、レジ打ちの人たちはあれを瞬時にピピピっと処理していく。
スーパーにとってレジでお客さんを並ばせることはブランドイメージの低下に直結するわけで、いかにスムーズにお会計を済ませてもらうかというスピードと、最後に触れる人として気持ちよく帰ってもらうための笑顔や挨拶が、そのお店の最後の砦なんですよね。
感じのいいレジ打ちの人がいるお店には行きたくなるし、態度の悪い人のいるお店には行かなくなった。コンビニでも同じで、態度の悪い店員がいるところには絶対行かないですから。
そして、僕自身の反省もありました。日常のあらゆることを役作りに生かせるはずなのに、スーパーのレジ打ちの人の顔すら見ていなかった。機械的に通過点として見ていた。表現者としてそれはどうなんだ、と気づかせてもらいましたね。
「演技力を高める日常の使い方」という本を出版しておきながらこの失態・・。
この本を読んでからというもの、レジ打ちの人の顔とか対応とかをちゃんと見るようになりました。
2冊セットで読むと、構成の妙がわかる
この2冊目を読んだ後、そういえばとわさんはなぜ離婚したんだっけ、なぜ息子を置いてきたんだっけ、と気になって、1年前に読んだ1冊目の『うさぎが跳ねる時』を読み返しました。
そしたらああ、そういうことか、と。そしてあの章が淡々としていたのは、この2冊目で多くを語るべきだったからなんだということもわかった。
1冊目でどこからどこまでを語って、何を語らないか。2冊目でどこからどこまでを語って、何を語らないか。この2冊、それぞれが明確なんですよね。そしてセットで読むと、それぞれの本がリンクしていく。
狙っているのか狙っていないのかはわからないけれど、そういう構成になっているのが、とわさんの本のすごさだなと思いました。
全然違う毛並みの2冊ですが、ぜひセットで読んでみてください。どちらから読んでも楽しめますが、セットで読むと、それぞれの本がもう一段深くなるはずです。
さて、いつにも増しての長文ニュースレター、最後までお読みいただいてありがとうございます!
キョウちゃん、わくわくさん、とわさんのおかげで、原点回帰させていただいた一週間でした。
今後はkindleについての発信もしっかり伝えていこうと思います。
出版に興味ある方の参考になれたらとても嬉しいです。
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そして来週は、嫁さまとライフワークで取り組んでいる親子で楽しめる日英バイリンガルシアター、劇団バナナの「ちゅうもんのおおいB&B」の保育所への依頼公演の本番があります。
おそらく、来週のニュースレターはそのことについてになるかなと思います。
最後に、今週配信したPodcastと、長文引用リスタック博物館の記事を張り付けておきます。
お時間ありましたら合わせてお楽しみください。














