バッチョ・トゥ・ザ・フューチャー
楽屋からにて「ばちょぺでぃあ」
流れるプールはコサックダンスが最適解
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流れるプールはコサックダンスが最適解

バターになる前に

夏休みに入りまして、娘から

「どっか連れて行け!」

と言われるわけなんですが。

子どもの遊び場って、1時間あたり1,500円とか2,000円とかするじゃないですか。

しかも、大人はぼーっと待ってるだけなのに、大人料金までしっかり取られる。

ところがですよ。

プール。

これ最高ですね。

大人も一緒に入れるし、暑い思いもしなくて済む。

しかも、大人料金と子ども料金を合わせても700円いくかいかないか。

2時間コースでも1,000円しないんですよ。

これは行くしかないじゃないですか。

娘もプールや川で泳ぐのが大好きなんで、

「よし、行こう!」

ということで行ってきました。

しかも平日。

土日に行くと、

「昔の銭湯か!」

っていうぐらい、人、人、人なんですけど、平日は夏休みとはいえ、まだそこまで多くない。

ちゃんと泳げるくらいには空いていました。

そして、そのプールには流れるプールがあるんですね。

もう最高じゃないですか。

泳がなくても勝手に進んでくれる。

ドボンと入ると、スーッと流れていく。

まず僕がやったのは、サッカー選手ごっこです。

ワールドカップとかJリーグとかで、ゴールを決めた選手が芝生の上をスライディングしながらガッツポーズするじゃないですか。

あれ、一度やってみたかったんですよ。

でも陸でやったら絶対擦りむく。

ところが流れるプールなら、水が押してくれる。

これはいけるんじゃないかと思って。

少し歩いて勢いをつけて、

「ゴーーール!!」

という気持ちで、水中スライディング。

すると、

スーーーーーーッ。

5メートルくらい進みました。

……まあ、そのあとバランスを崩して沈みましたけど。

これは面白い。

ずっとできるじゃないか。

……と思ったんですが。

秒で飽きます。

流れるプールって聞こえはいいんですけど、結局、

流れるだけ。

娘はものすごく楽しそうなんですけど、大人からすると深さは腰くらい。

浅い。

しかも子どもがたくさんいるから、平泳ぎやクロールなんてしたら邪魔になる。

思い切り泳げないんですよね。

だから結局、やることがない。

でも2時間券を買っちゃった。

「うわぁ……2時間か。」

せめて、あとどれくらいで終わるのか目安を知ろうと思って、1周何分か測ってみたんです。

すると……

1周たった1分。

え?

2時間って120分ですよ。

ということは……

120回、かき混ぜられる。

120回もかき混ぜられたら、

卵だったらメレンゲになるんじゃないですか。

しかも娘が、

「追いかけっこしよう!」

と言うんです。

競争するとスピードが上がる。

そうすると1周40〜50秒くらいになる。

時計を見るたび、

「え?まだ30秒しか経ってないの?」

2周回ってようやく1分。

ということは、

追いかけっこだけで240周くらいする計算になる。

バターになるぞ。

そりゃバターになってしまうじゃないか。

しかも、ずっとぐるぐるかき混ぜられるわけですよ。

だんだん、

「何のために我々は混ぜられているんだろう……」

という哲学的な気持ちになってくるんですよね。

だって混ぜても何も溶けない。

味噌汁なら混ぜる意味があります。

分離しないために混ぜる。

でも流れるプールで何百人流れても、何も混ざらない。

ダシも出ない。

何のために回ってるんだろう。

そんなことを考え始めるんです。

しかも追いかけっこをするにも、大人は泳げない。

泳いだ方が速いけど、足が子どもに当たったら危ない。

他の子たちは浮き輪や足でバンバンぶつかってくるんですけどね。

まあ子どもだからいいんです。

でも大人が平泳ぎして、後ろにいた子の顔にキックでも入れたら大惨事です。

だから歩くしかない。

ところが、水の中を歩くって結構しんどい。

そこで僕は、新しい移動方法を開発しました。

コサックダンス。

コサックダンスが何かわからない方は……

まあ、ググってください。

ロシアやウクライナに伝わる伝統的な踊りです。

これが流れるプール最強なんですよ。

後ろに足を蹴り出さないので、安全確認しながら前に足を出せる。

しかも陸上だとめちゃくちゃきついコサックダンスが、水中では浮力のおかげで驚くほど楽。

さらに、つま先を前に出すと、水の抵抗が少ないのでスイスイ進むんです。

娘と競争するときも、

娘は普通に泳ぐ。

僕はコサックダンス。

そして上半身はどうしているかというと、

ボクシングのファイティングポーズ。

子どもたちの足や浮き輪、水しぶきから顔面をガード。

もう完全に武術です。

足はコサックダンス。

上半身はファイティングポーズ。

これで2時間、延々と流れ続ける。

最強ですね。

結局、1分以内で1周することも多かったので、たぶん150周くらいは娘と追いかけっこしたと思います。

これだけかき混ぜられたのに、

バターの1つもできやしない。

何のために我々は流れているのだろう。

そんなことを、コサックダンスという一定のリズムを刻みながら考えていた、流れるプールでした。

……また来週も行きますけどね。

今度は1時間コースにします。

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