バッチョ・トゥ・ザ・フューチャー
楽屋からにて「ばちょぺでぃあ」
AIじゃないけど台詞を自動化させる!
0:00
-7:40

AIじゃないけど台詞を自動化させる!

台詞は歌え!歌は語れ!

先週本番だった「わすれゆき」の共演者、ヒロシくんが打ち上げで話していたことを、ようやく自分の中で言語化できたので、そのお話をしたいと思います。

ヒロシくんの役は、とにかくセリフが多かったんですよ。

長ゼリフ。

長ゼリフ。

また長ゼリフ。

しかも、1か所でも噛んだり間違えたりすると、そこからリズムが崩れてしまう。

かなりプレッシャーのかかる役でした。

それでも5公演ほぼノーミスでやり切ったんですね。

その理由を聞いたら、

「どんな状況でも自動的にセリフが出てくるくらいまで稽古した」

と言っていたんです。

これ、僕もまったく同じ考えなんですよね。

僕も稽古では、セリフが自動的に出てくる状態まで持っていきます。

そうしないと、本番で気持ちだけに頼ってしまうからです。

感情に任せてしまうと、言葉が潰れるんですよね。

本人はすごく気持ちよく演じている。

でも、お客さんには何を言っているのかわからない。

そういうことが起きてしまいます。

じゃあ、自動的にセリフが出るようにするというのは、感情を捨てて機械みたいに話すことなのか。

そうじゃないんです。

今日、そのことを改めて実感した出来事がありました。

車を運転していたら、20年くらい前によく聴いていた、ジャンヌダルクの曲をふと口ずさんだんです。

タイトルは忘れました。

でも歌詞は、スラスラ出てくる。

運転して、信号を見て、右左折して、周りも確認して。

別のことをたくさんやっているのに、歌は普通に歌えるんです。

それは、昔何度も何度も歌って、体が覚えているからなんですよね。

これって、舞台も同じなんです。

歌手だってライブでは、その日の会場の空気も違うし、お客さんの反応も違います。

毎回同じ気持ちでは歌えません。

でも歌詞は、自動的に出てくる。

だからこそ、その日の感情を乗せる余裕が生まれるんです。

ここで思い出すのが、僕の演劇の師匠によく言われた言葉です。

「セリフは歌え。
歌は語れ。」

最初は意味がわかりませんでした。

でも今なら、すごくよくわかります。

まず「歌は語れ」。

歌にはメロディーがあります。

歌詞も決まっています。

つまり、レールが敷かれているんですね。

だから、そのレールに乗るだけじゃなく、ちゃんと語りなさい。

気持ちを届けなさい。

ということです。

逆に「セリフは歌え」。

セリフにはメロディーがありません。

だから、その場の勢いだけでしゃべると、言葉が崩れてしまいます。

そこで、自分の中でリズムや言い回し、間の取り方をしっかり作っておく。

つまり、自分だけのメロディーを作るんです。

その型があるからこそ、本番では感情を思い切り乗せられる。

これって、たい焼きやたこ焼きと同じなんですよね。

どんなにおいしいたい焼きを作ろうと思っても、型がなければ作れません。

まず型がある。

その上で焼き加減や火加減、あんこの量や焼き方に個性が出る。

演技も同じなんです。

まず型がある。

その型が体に入るくらい稽古する。

だから、本番では自由になれる。

ヒロシくんが言っていた、

「自動的にセリフが出てくるようにした。」

というのは、まさにこのことなんだと思いました。

だから多少のハプニングが起きても崩れない。

相手役の間が変わっても対応できる。

結果として、5公演ほぼノーミスでやり切れたんでしょうね。

ようやく僕の中でも、

「セリフは歌え。
歌は語れ。」

という言葉の意味が、一本につながりました。

実はこの話、今書いているKindleの『演技力を高める日常の使い方』に書いたかな・・?

たぶん書いてない。

このエピソードについてのディスカッション

Userのアバター

もっと続けますか?